結論:飲み比べセットは「何を比べたいか」で選び方が変わる
ビールの「飲み比べセット」には、大きく2つのアプローチがあります。ひとつは各メーカー・ブルワリーが公式に用意している既製のギフト向けセットを選ぶ方法、もうひとつは好きな銘柄を自分で組み合わせて飲み比べる方法です。前者は贈り物として箱やのしが整っている点が魅力で、具体的な銘柄構成や選び方はビールギフトおしゃれガイドにまとめています。
この記事では後者、つまり「何を比べたいか」を先に決めて自分で組み合わせる飲み比べの選び方を中心に整理します。同じ蔵元・同じブランドのラインで飲み比べる方法と、スタイルをまたいで飲み比べる方法の2パターンを、本図鑑の収録銘柄から具体的に紹介します。
セットを選ぶときの3つの視点
飲み比べセットを選ぶときは、次の3つを意識すると違いが分かりやすくなります。
- 本数: 一度に3〜4種類程度に絞ると、味の印象を覚えていやすくなります。本数が多すぎると、後半に飲んだ銘柄の印象がぼやけやすくなります。
- スタイルの幅: 全部が似た系統のビールだと、違いがよく分からなかったということになりがちです。ラガーとエール、苦味の強弱、色の濃淡など、軸をはっきり変えた組み合わせのほうが違いを体感しやすくなります。
- アルコール度数のバランス: 度数が近い銘柄同士を選ぶと酔いの回り方が揃うため、味の違いに集中しやすくなります。度数の異なる銘柄を混ぜる場合は、度数の軽いものから順に飲むと、後の銘柄の個性を感じ取りやすくなります。
同じ蔵元・同じブランドで飲み比べる
同じ会社が展開する複数のラインを並べると、「同じ造り手が味の方向性をどう変えているか」という視点で楽しめます。本図鑑の収録銘柄では、次のような組み合わせが可能です。
| ブランド | 組み合わせ例 | 度数 | 特徴の違い |
|---|---|---|---|
| サントリー ザ・プレミアム・モルツ系 | ザ・プレミアム・モルツ / 〈香るエール〉 / 〈マスターズドリーム〉 | 5.5% / 6% / 5% | 定番はピルスナースタイル、香るエールは上面発酵でフルーティ、マスターズドリームはよりコクを強めた上位ライン |
| サッポロビールグループ | サッポロ生ビール黒ラベル / サッポロラガービール〈赤星〉 / ヱビスビール / ヱビス プレミアムブラック | いずれも5% | 黒ラベルはキレ重視、赤星は伝統的な熱処理ラガー、ヱビスは麦芽100%のプレミアムピルスナー、プレミアムブラックはコクのある黒ビール |
| アサヒビール | アサヒスーパードライ / アサヒ生ビール〈マルエフ〉 | 5% / 4.5% | スーパードライは辛口・キレ重視の設計、マルエフは「コクがあるのに、キレがある」がコンセプトのまろやか仕立てで、同じアサヒでも狙う方向性が異なる |
サントリーの3種は、同じ「ザ・プレミアム・モルツ」のラインでも、公式の分類ではベースのピルスナースタイル・上面発酵のジャパニーズエール・プレミアムラガーと造りの系統が異なります。サッポロビールグループの4種も、同じ会社の商品でありながら黒ラベル・赤星・ヱビス・ヱビスプレミアムブラックのそれぞれで狙っている味の方向性が違うため、並べて飲み比べると個性の差がわかりやすくなります。アサヒビールの2種も対照的で、公式に辛口・キレを前面に出すスーパードライに対し、1986年生まれのロングセラーが2021年に缶で復活したマルエフは麦の旨みを残しつつ後味をまとめる設計で、同じメーカーでも方向性の違いが分かりやすい組み合わせです。
スタイルをまたいで飲み比べる
会社やブランドにこだわらず、味の系統を軸に組み合わせる方法もあります。本図鑑では各銘柄の苦味・コク・軽さといった傾向を編集部評価として数値化しており(各アイテムページの「軸」を参照)、この傾向を目安に選ぶと違いを体感しやすくなります。
- 淡麗辛口タイプ: サッポロ生ビール黒ラベル — キレの良さを重視した飲みやすいタイプ
- コクのあるピルスナータイプ: ヱビスビール — 麦芽100%でコクとうまみを感じやすいタイプ
- 軽やかでフルーティなタイプ: COEDOビール 白(シロ) — ヘッフェ・ヴァイツェンスタイルで香りが華やか
- 苦味としっかりしたホップ感: インドの青鬼 — インディアペールエールで苦味・ホップ感が強め
- 黒ビールの濃厚さ: ヱビス プレミアムブラック — 麦芽100%の本格的な黒ビール
- 米由来のすっきり和食向け: エチゴビール こしひかり越後ビール — 新潟県産コシヒカリを副原料に使い、公式も「お寿司などの和食にぴったり」と紹介するタイプ
この6本を並べると、辛口・コク・フルーティ・苦味・黒・米由来のすっきり感という6方向の違いを一度に体感できます。全部をそろえるのが大変な場合は、まず2〜3本を選び、慣れてきたら残りを追加していく方法もおすすめです。
公式のギフト用飲み比べセットを使う方法
自分で組み合わせるのが手間な場合は、各メーカー・ブルワリーの公式オンラインショップで販売されている「飲み比べセット」「ギフト箱入りセット」を利用する方法もあります。COEDOや常陸野ネストビールといったクラフトブルワリーは、複数の銘柄をあらかじめ詰め合わせた公式セットを用意していることが多く、贈り物としても選ばれています。具体的な銘柄構成・価格帯・のし対応の有無は時期によって入れ替わるため、最新情報はビールギフトおしゃれガイドであわせて確認してください。
まとめとよくある質問(FAQ)
飲み比べセットを選ぶときは、本数を絞り、スタイルの幅を意識し、度数のバランスを見ることが違いを体感するコツです。同じ蔵元・ブランドのラインで飲み比べれば「造り手による味の作り分け」を、スタイルをまたいで飲み比べれば「系統ごとの違い」を確かめられます。公式のギフトセットを使いたい場合は、ビールギフトおしゃれガイドもあわせて参考にしてください。
Q. 何本くらいから飲み比べを始めればいいですか? A. まずは3本程度から始めると、それぞれの印象を覚えていやすくなります。慣れてきたら本数を増やすとよいでしょう。
Q. どの順番で飲むのがおすすめですか? A. 決まったルールはありませんが、度数や苦味の軽いものから濃いものへ順番に飲むと、後に飲む銘柄の個性を感じ取りやすくなります。
Q. 家族や友人と飲み比べる場合の注意点はありますか? A. 飲酒は20歳以上に限られます。同席する全員が20歳以上であることを確認したうえで、飲みすぎに注意しながら楽しんでください。













